帝都、ガイネ＝ハイトの闇の闇。死臭と腐敗の垂れ込む貧民窟出身。長い黒髪、切れ長の瞳、痩身にして優美な体躯。そして、きりりと結ばれた口元が、鍛えられた名刀の清冽さを思わせる美しい少女。
　「自分が何を為すために生まれたのか？」という命題を解決する事を人生の目標にしており、貧民窟にいた頃は生きる為にどんな汚い手も平気で使い、必要であれば娼婦の真似事もした。

　目的の為に全てをなげうつ覚悟を持ち、学園に引き取られてからは困苦に負けないよう、常に自己鍛錬をかかさない。無用な諍いには加わらず、最低限の礼儀は払うが、基本的に周囲に溶け込まず孤立した状態が続いている。

　巨大な剣をささげ持った鉄の巨人。鈍い光沢のある甲冑の、至る所からパイプが突き出していて、そこから紫の蒸気を噴き出している。

　神話にある４体のリエラ、「果て無き大地のティベロン」「輝く水のアークシェイル」「焼き尽くす炎のアルム」「彷徨う風のクロンドル」の1つであるアルムは、あらゆるリエラの中でも最も恐るべき力を秘めており、その剣の一振りは炎を呼び、次元を揺るがし、剣の軌跡に異世界が映し出される。

　西の商業都市、リットランド出身の女の子。見た目は実年齢より遙かに幼く、くりくりの大きな瞳と、茶色の髪の中に混じる、一房だけ焦げ茶の髪が印象的。
　見た目に違わず、明るく無邪気。好奇心旺盛、勉強が苦手で、みんなのマスコット的存在。特に、上級生のお兄さま、お姉さま方に人気が高く、どこへ行っても可愛がられる。

　いつもリエラ、≪アルファントゥ≫の背中に乗って学園中を駆けめぐり、端から見れば「がらくた」としか思えない、彼女自身の「宝物」収集に余念がない。特に、機能的に意味が全くない、無駄かつ、非生産的なギミックに心ひかれるらしい。

　黒い狼に似た、心優しい四つ足歩行動物。レダの保護者にして最も大切な友人。
　見た目以上に戦闘力が高く、体毛を自在に変化させる力を持ち、普段は羽毛の様に柔らかいが、非常時にはその一本一本を鋭利な刃物と化して、鋼鉄の壁をも切り裂く事ができる。また、体長も自由に変化させる事ができ、普段は人の倍ぐらいの大きさで固定され、レダを背中に乗せて走っている。

　帝都、ガイネ＝ハイト出身の、由緒正しい血筋のお嬢様。ぽわぽわの金髪、下がった目尻、眉尻。そして、ふっくらとした半開きの唇が、幼気な男子生徒の心を悩ましてならないのだが、本人には全く自覚がないようだ。

　どこへ行くにも≪イルズマリ≫と一緒で、何かとその言動に問題を起こす≪イルズマリ≫のフォローばかりしている。基本的にはいい人で、敬虔深く、学園の良心と慕われている。
　そんな彼女の趣味は午睡と料理で、とにかくよく寝る。そして、よく食べる。また、ファンシーグッズが好きで、かなりの寒がり。真夏の最中でも、冬用のストールが手放せないらしい。

　一見して鷹に似た鳥だが、戦闘時になると体毛が銀色に変化し、周囲に銀の輝くオーラを纏って冷気を操る。愛称は「イル」だが、フラン以外の人間からそう呼ばれると猛烈に怒り出す。
　明確な知性を持ち、人語を話す事ができる特殊なリエラだが、理論家で自意識過剰気味な所あり。「紳士的」態度をモットーとし、それに固執するあまり、問題発言を繰り返す困った所がある。

　新興工業都市、ハイヤード出身の女の子。癖のあるショートカットに眼鏡。そして、いつも着ている清潔な白衣が特徴的。
　責任感が強く、世話好きで、かなりの委員長タイプ。実際に、クラス委員長を務めている。蒸気機関を死ぬほど愛しており、いつか自分の手で飛行船を作り、空を自由に飛ぶ事が夢らしい。常に前向きでポジティブな考え方は、周囲の共感を呼んでいる。

　小動物、特に齧歯類が大好きで、白い服が好き。実は、秘密結社ＮＩＳ（なんとなく・いつも・白い服）の構成員でないか？　と噂されている。余暇は全て発明に費やし、役に立つかどうか怪しい代物を次々と作り続けている。

　見た目は双頭の巨大な鷲。理性を司る右頭と、野生を司る左頭を持ち、その双眼に赤き炎を灯している。
　胸に銀に輝く体毛を持ち、その翼を彩るのは薄茶と金の斑模様で、隠者の神秘性と王者の気高さをその身に併せ持つ。胸骨がいびつに突き出しており、両翼を羽ばたかせてその胸骨の間に白く輝く雷源を作り出し、強烈な雷撃を放出して攻撃する。

　南部の商用都市、イミール出身の女の子。髪を頭の両側で結い、留め具に猫のアクセサリーを使用。ついでに、吊り目と「にひっ」とした口元が彼女の独自性を生み出している。小柄かつ、実年齢よりもお子様っぽい体型で、どうやら本人もその事を気にしているらしい。

　いたずら好きで、詮索好き。人付き合いが妙にうまく、誰とでもすぐ友達になる特技を持ち合わせている。美味しい食べ物と、他人の噂話と、ストライプ柄が大好きで、学内のゴシップに精通し、いつも「にしし」と笑っている。
　一度話し始めたら半日は退屈しないお喋り好きだが、その言葉には妙に偏りがあり、古語や死語、変な表現を多用するのはご愛嬌だろうか？

　巨大な黒い眼球状の物体。常に紫色のオーラを纏っており、球体の中心にあるすみれ色の巨大な瞳から、そのオーラを集束して放つ事ができる。
　また、このリエラは影を操る力を持ち、眼球本体から伸びる無数の黒い触腕を、影から影へ移動させて攻撃させたり、任意の物体を影の中に沈めて何処とも知れぬ闇の中に閉じ込める事もできる。

　南部の商用都市、イミール出身。生家が貧しかった為、とある豪商の家に姉と２人して丁稚奉公をしていたが、姉が奉公先の若旦那に弄ばれた挙げ句に殺されてしまう。その報復として若旦那を惨殺し、犯罪人として追われている所を保護され、アルメイスにやって来た経緯を持つ。
　ネイとは腐れ縁の幼馴染。

　黒髪に黒い瞳。キリッとした可愛い顔立ちだが、終始ムスッとしていて愛想がない。根は優しくて義に篤いのだが、対人関係に関して不器用で、素直に言葉に出さず、直接行動して誠意に報いるのが常である。
　ただ、かの事件以来、金持ちに対して激しいコンプレックスを抱いており、それを露骨に態度に表してしまう一面を持つ。

　定まった形を持たない、液体状の流動的なリエラ。どんな形にでも一瞬にして変化し、その状態で硬質化して高密度の塊になる事もできる。
　液体状態だとあらゆる衝撃を吸収し、切断されてもダメージを受けず、炎や冷気、電撃すらも寄せ付けない。まさに無敵の耐久力を誇るが、液体の中心に鈍く光る核に攻撃を受けると、制御する事ができなくなる。

　北部にある、名もない農村出身。特に寒波が厳しかった幼い冬の日、生活苦に喘ぐ両親の手によって帝国機関に売られた過去を持つ。後頭部で結った、膝裏まである赤毛の髪。そして、口元からのぞく八重歯がチャームポイント。
　我が儘で、気分屋で、意地っ張り。歌唱と舞踏が大の得意で、感情が高ぶると歌い、踊り出す困った癖がある。人懐っこく、猫ちっくで、平気で他人のボディーゾーンに侵入する。一度怒らせるとなかなか機嫌が直らず、優柔不断なヤツが大嫌い。

　ルーの保護者的役割で、彼女といつも行動を共にしている。

　見た目は巨大な鉄の棺桶。あるいは、イシュファリアの凍った大地を穿つ重機に似ている。
　その無骨な黒い塊の表面には、大小様々な管がビッシリと張り詰め、その中を血のように赤い炎が駆け巡っている。小回りは効かないが、地を削り取りながら一直線に驀進し、攻撃目標を棺の中に閉じこめて、地獄の業火で焼き尽くす事ができる。

　その出自が一切不明な謎の少女。帝都、ガイネ＝ハイト出身らしいが、それすら定かではない。顎先で切り揃えられた黒髪に、終始おどおどと不安げに動く黒い瞳。綺麗な容姿をしているが、大人しすぎるきらいがある。
　見た目に違わず、性格は引っ込み思案。赤面症気味で、男性恐怖症気味。基本的に怖がりで、人前で喋る事が苦手。注目されると緊張して石になってしまう。自分に対して全く自信が持てず、自分の将来に対して漠然とした不安を抱いている。
　自分１人では何もできず、いつもクレアの背中に隠れ、その側を離れようとしないので、教師陣や他の生徒達から問題児扱いをされている。ペットに砂狐を飼っており、趣味はペットと遊ぶ事と読書する事らしい。

　苔生した砦、あるいは動く城塞を思わせる巨大なリエラ。動きは非常に緩慢であるが、地を割り、暴風を巻き起こし、海を煮えたぎらせる力を持ち、城塞の一角から放たれる光線は、触れた物体を瞬時に蒸発させる熱量を持つ。

　最強に最も近いリエラの１つではあるが、ルー自身の性格が災いしてか、その真価を発揮しきれていないのが現状である。

　出身地不明の謎の少年。痩身優美で見目麗しい容貌をしており、それを自認して客観視している困った性格。口調は丁寧で、物腰も優雅だが、いまいちつかみ所がない。
　学園と生徒を繋ぐ「双樹会（アラン＝エミス）」会長にして、全てが謎に包まれた学長に、唯一面会が許されている。

　フューリアとしての能力は大したことがないが、本人自身は見た目に反して武芸の腕に秀で、古今の詩歌に通じた伊達男。その容姿と教養の高さ、そして武芸の腕に憧れる婦女子は多い。

　万聖法典を捧げ持つ、エプロンドレスの少女の姿をしたリエラ。周囲につき従う六翼の宝珠聖教を自在に操り、法典の理力で敵を完全に拘束する。
　ただし、対象の真名が分からないと、その真価を発揮できないという欠点がある。

　抑止力に非常に秀でたリエラだが、戦闘力は殆ど皆無に等しく、サポートに回って初めて真価を発揮するリエラである。

　寮長を勤めている。生真面目を絵に書いたような性格で、紳士的だが融通がきかない。口調なども紳士的。
　外見の厳つさとは反対に基本的にはいい人だが、いい人過ぎて気苦労が絶えないらしい。良く他の人からの頼まれ事をこなす姿を、学内ばかりではなく学園都市内でも見る事が出来る。
　また、マイヤ会長やルーと同じ様に、出身地は不明とされている。

　パッと見るとトーテムポールの様に何かが彫ってある1.5アース（4.5m）位の木の柱。
　地面に干渉して植物の生命を掌握する能力を持つ。育てるのも枯らすのも自在。また、自らも枝を伸ばしたり、地面に根を張り巡らせて局地的に振動させるなどの攻撃法を持つ。

　オールラウンド型ではあるが、攻撃よりも防御を得意としているリエラである。