行動文章サンプル


 それでは、ここでは実際に行動文章のサンプルを見て、色々と学んでみましょう。  例えば、この様なオープニング文章があったとします。

『図書館の白き悪魔』


「さ、寒い……」
 フランは図書館に入って、まず真っ先にそう言った。外は雪が降っていて、中に入れば暖かいと信じていたので、中が凍るように寒かったことがショックだった。
 きょろきょろとあたりを見回すと、同じように困惑している生徒が数名見受けられた。
「暖房が壊れているのであるかな」
 イルが羽を広げて、そう言う。
 中は薄暗い。奥の方は、人気もなさそうだった。
「今日は、休館日でしたのかしら」
 扉のほうを振り返ると、また、人が入ってきて、同じように困惑している。休館日なら、扉には鍵がかかっていそうなものだが……
「寒い……」
 フランは、自分の体を抱えた。雪に当たったせいで体が冷えたのか……いや、寒気がしたのだ。
 なんだか、奥の方からこの冷気は流れてくるような気がした。
「何か、音がしない……?」
 誰かの声に耳を澄ますと、しゅごーしゅごー……と風の抜ける音がするような気がする。
「なんでしょう、この音……」
 そのとき、もこもこに厚着をしたマリーがよろけるように階段を降りてきた。
「だ、だめ……助けて……あれを……誰か止めて……」
 そして、マリーは、どさりと絨毯の上に倒れ伏した。
「マリーさんっ」

サンプル行動文章1

使用キャラ:アルフレッド寮長

頼まれ事をして図書室に本を探しに来たのは良いが、
とんでもない寒さで倒れている生徒がいる。
生徒を守るのは寮長たる自分の役目なので、
凍えて倒れている生徒の救助を優先的に行う。

ヴァルトレーベンで木を生やし、其れを枯らせれば薪はいくらでも作成できるので
暖炉のある部屋を探し、そこで薪を多量に用意し、
倒れている生徒を運び込み火を絶やさず焚き続け暖をとらせる
暖炉などが無い場合は火を焚いて差し支えないところを探す。

落ち着いた所で事の発端を確認、当事者は誰か聞き出し事態を確認する、
生物的な現象ならばその場に行って探して説得、あるいは実力行使で止めさせる。
機械的な物ならば機械に長けている物を探し連れていくか停止方法を確認する。

その後希望者を募り原因を止めに行く。

サンプル行動文章1の解説と評価

 この行動文章は、1〜3行目が動機で、4行目が目的です。5行目以下は手段となっています。目的から判断するに、中心となる行動は6〜9行目の部分です。11行目以下は『他に有効な行動をかけているキャラクターがまったくいなかったら』採用されることになるでしょう。また、11行目以下に細かい手段が書かれていないのは、何人もが関わるこのゲームでは『原因を解決に行く者』は他にいると判断して、省略されている面もあります。
 しかし、この行動文章には、中心となる6〜9行目の行動に、若干の配慮不足があります。7行目に『暖炉のある部屋を探し、そこで薪を多量に用意し、』とありますが、これでは室内で6行目で言っている『木を生やし、それを枯らす』ことになります。彼のリエラ自身も木ですが、リエラを薪にすることは難しいでしょう。では、能力で木を生やすことになります。一階ならば地面は近いので『発動条件制限:接触』などのデメリットがなければ、木は生やすことはできますが、図書館の一室の床を破壊する結果となるでしょう。
 このように行動が回りに被害をもたらす場合、回りに常識的な他のキャラクターがいれば止められて行動が失敗したり、『外で行う』と行動が修正されることがあります。また、同じ目的でもっと良い行動があった場合には、不採用となります。

サンプル行動文章2

使用キャラ:キックス

……ったく。たまに図書館に来て見れば、何の騒ぎだ?
さっさと解決しないと、本を探すことも出来そうにないな……。

マリーがいたって事は、また妙な機械の実験でもしてたのが原因か?
さっきから聞こえている音は、それだろうか。

しかも、上に行ったら着膨れしたマリーが気絶するほどの寒さになるようだ。
寒さ対策が必要だな。

まあ、俺のリエラを使えばなんとかなるか。
液体状態のロイズ・フォックナーで体を覆えば、寒さは防げる。
(一緒に行く奴がいればついでにガードしてやろう。貴族以外)

問題は、時間だ。
俺がリエラを出していられる間に目標地点に辿り着けなけりゃ駄目だな。
出来るだけ時間を短縮できるように、マリーを起こして正確な場所と
「止める方法」を聞きだしてから向かうとしよう。

サンプル行動文章2の解説と評価

 この行動文章は1〜2行目が動機と目的です。正確には1行目と2行目後半が動機で、2行目前半が目的です。3行目以下は手段となります。
 この行動文章の中心となる部分は、『実験機械を止める』ことと『(仲間と共に)現場にたどり着くこと』です。ただし、『原因が実験機械である』ということはこのキャラクターの予想であり、確定した情報ではありません。原因が間違っていた場合は不採用になることもありますが、予想が当たった場合には他の予想しないで行動した人よりも一歩抜きん出て活躍できるでしょう。
 この行動文章には書き手も理解していますが『リエラの交信時間には制限がある』というリスクがあり、それを補助するために16〜17行目の『マリーを起こして正確な場所と「止める方法」を聞きだしてから向かう』という行動が入っています。マリーを起こす手段が細かく書かれていないのは、サンプル1と同じように何人もが関わるこのゲームでは、『マリーを救済する者は他にいるだろう』と判断しているからです。

サンプル行動文章3

使用キャラ:ネイ

・目的
図書館の上の階の『あれ』を止める手伝いをするのです。

・動機
今月仕送り少なくて食費がマッハピンチです。
でもマリーに貸しを作っておけば食事を奢って貰えそうです。にしし。

・上の階に向かう前に
情報を制するものは世界を制す、と偉大なる先達も申しております。
故にまずマリーを介抱し、上で起こった事を確認するのです。
ちなみに不肖この私めは『あれ』はリエラあるいは蒸気機関ではないかと
推測しているので『あれ』を止める為の情報も聞いておくのです。

この寒さも『あれ』の仕業でしょう。
上に行く程寒くなると思われます故出来る限り防寒対策をしておくのです。
あと図書館に【小型ランプ】【金属製バケツ】【薪】があれば持って行くのです。

あ、そうそう。
マリーを介抱した時に
「上の階の『あれ』を止めたらチルミワサラダを1食奢ってね」
と頼んでおくのです。にしし。


・上の階にて
不肖この私めは非力故『あれ』を直接止めたりはいたしません。
【金属製バケツ】に【薪】を入れて【小型ランプ】で火をつけ
暖を取れるようにしたり、『あれ』の情報を教えたりして支援を行うのです。

サンプル行動文章3の解説と評価

 目的と動機は、書かれている通りです。8行目以下が手段となります。
 この行動文章の多くは、サンプル2と重複しています。ですが、サンプル2と3はライバルではありません。サンプル3の中心となる行動は『マリーから情報を聞き出すなどで、原因を解決する者の援助をする』ことだからです。OPの段階では、上の階で何が起こったかはまったく明らかではありません。情報を引き出すことによって、用意するべきものがわかったり、してはいけないことがわかったりします。
 また、上の階で暖を取るための方法が書かれていることは、解決まで時間がかかった時などに特に重要になってきます。こういう地味な援助行動が事件解決を支えることも多いのです。

サンプル行動文章4

使用キャラ:マイヤ

動機:
これは何事ですか?
アルメイスに於ける重要施設である図書館がこの状態では学生達に不具合が生じますね。
早急に解決しなくてはいけませんね。

目的:
原因を究明し、早急に打開策を図る。

手段:
まずはマリーに何が起こったか聞く事が先決ですね。
話が出来ればよいのですが。
マリーには以下の点を聞かなくてはいけませんね。
・一体何が起こっているのか
・上に誰か人がいるのか
・どのように解決すればいいのか。

マリーの話を聞き、蒸気機関が原因、上に人がいない(一刻を争う状況ではない)状況ならば、専門家に任せた方が確実かもしれませんね。
アッタ・ルスティンバークに協力を要請してみましょう。
彼の腕なら機械であれば止められるかもしれません。

もしもリエラが原因ならば相手の名が分かれば聞いておきたいところです。
私のリエラ能力で動きを封じることが出来るかもしれませんからね。

サンプル行動文章4の解説と評価

 動機と目的は書かれている通りです。手段も見ての通り9行目からとなります。
 この行動文章の多くはサンプル3と重複しており、まずサンプル3と競争になります。このようにほぼ完全に重複した場合は、ライターがそのシーンにどれだけの重きを置いているかにもよりますが、誰かが採用され、誰かが不採用となる可能性があります。それらは状況にも左右されますが、多くは比較してどちらがより優れているかで判断されます。そのシーンが重複した行動をした者のすべてを採用できるとライターが判断した場合は、すべて採用されることもありえます。
 中心となっているのは『マリーに話を聞く』という行動なので、その部分をサンプル3と比較してみます。マリーは倒れていますので、そのままでは話が聞けません。なので、『介抱する』と書いているサンプル3の方に若干のアドバンテージがあります。
 もう一つ、解決方法については、すぐに自分で解決に行こうとしているサンプル2および3と競争となっています。行動開始から解決にかかるまでの時間はサンプル2〜3の行動の方が早いため、特にそれらを納得できる理由で制止する方法も書かれていないことから、サンプル4の行動はサンプル2〜3が失敗した場合に採用されると言えるでしょう。
 総合的に、この行動文章は悪くはないが、一歩及ばない行動と言えるでしょう。

サンプル行動文章5

使用キャラ:ミリー

……寒いわね……。
図書館の本に指南書が紛れ込んでるって聞いて来たんだけど、これは一体どういう事?
お店も長い間空けてられないし、早くなんとかしないと……。

寒いのは嫌いじゃないけど、ちょっと寒すぎね。とりあえず、暖房……。
……暖房って、どこ?
フランさんなら知ってるかしら、聞いてみましょう。

そういえば、冷気は奥から来てるみたい……。
暖房がそっちにしかなかったら、ちょっと厄介ね。
ここは私のリエラの能力でマリーさんの防寒具を複製して……。
……皆、寒そうね。仕方ないから人数分複製してあげる、脱ぐまでは消滅しないはずよ……
多分。

準備が済んだら暖房を点けに出発ね。
一種類かもわからないけど、操作方法を知らないと手間取りそう……。
聞き込みして、知っている人を連れて行けるといいんだけど……。
誰も知らなければ、勘しかないわね。

そうそう、最近の蒸気機械はよくわからないけど……。
暖房装置が暴走して冷房したりしてる可能性もあるわ、破壊する事も考えておかないとね。

サンプル行動文章5の解説と評価

 この行動文章は、1〜3行目が動機で、5行目が目的です。6行目以下が手段です。
 冷気を出す原因を解決するのではなく、暖房をつけるというちょっとずらした方向で事態を動かそうとしています。防寒具の複製についてはリエラ能力で可能かどうかはライターが設定を見て判断をしますが、可能であればサンプル3の防寒対策よりもカバーできる人数が大きいので、有効な行動として採用されるでしょう。
 暖房が動くかどうかや、それと冷気の原因が関係しているかどうかは、OPの段階では明らかではないため、予想が当たっているかどうかで結果が変わってきます。
 若干全体的に不安定な要素はありますが、一般的な視点とは異なる視点で見て行動することは、失敗して不採用となることもありますが、成功すれば他から抜きん出た成功をおさめることができます。こういったちょっと変わった行動の選択は安定して採用されることを望む人には向きませんが、ハイリスクハイリターンを好む人向きの方向性です。

サンプル行動文章6

使用キャラ:クレア

図書館にたどり着いたところ、異変が起きているのに気がついたんだよね。
(図書館に来た目的は、上演する予定の劇の題材になった小説を読むため、としておきます
 恐らく読んでいる途中で寝てしまうでしょうが…)
難しいことは分かんないから、「あれ」に関しては他の方に任せるよ。
倒れているマリーを助けないとね。
外は雪だけど…何人かの生徒と協力すれば、彼女を寮まで運ぶことくらいできるよね?
一人じゃ無理そうだから、手の空いてる人に協力してもらうね。
あ、情報とか聞く人居るかもしれないから、彼女にその体力が残ってたら、情報とかは聞いた後ね?
あたしはちょっとなら寒くても大丈夫だから、上着…雪がかかるようなら彼女にかけて運ぶね。

サンプル行動文章6の解説と評価

 この行動文章の動機は1〜3行目で、目的は4〜5行目です。6行目以降が手段となっています。
 特に変わった行動ではなく、また一人では実行できないため、同じレベルで同じような行動がなかった場合、不採用になる可能性があります。採用になったとしてもサンプル1やサンプル3が『マリーの介抱』を行動に掲げているため、描写も後回しになり、小さくなる可能性が高いでしょう。
 採用を目指すためには、少なくとも、もう少し積極的に行動をした方が良いようです。

サンプル行動文章7

使用キャラ:ライラ

ふふふ、なんだかよく判らないけどいたいけな美少年がイッパイいるみたいね。
片っ端から誘惑していけない道にひきずりこんじゃおっかな〜♪

ふふふ、ライラおね〜さんってば、ダ・イ・タ・ン♪

サンプル行動文章7の解説と評価

 この行動文章は悪い例です。
 自己中心的な考えのみで、まったく話に関わっていません。こういう行動は、採用されません。気をつけましょう。

サンプル行動文章8

使用キャラ:レダ

【アルファントゥが回想して】
 今日のレティーは、普段のそれとは違う様に思えた。多分、友達を救いたいという気持ちが強くなったのだろう。

 マリエージュが倒れたのを見つけた時にレティーが言った言葉は、まさにそれを如実に現していたのだろう。
「アルファントゥ。マリーを背中に乗せて!」
 その時のレティーの顔を、私は忘れない。

 マリエージュを外に連れ出した後、レティーは私の背に乗った。
「アルファントゥ。行けそうー?」
「もちろんだ」
 レティーと私の間なら、会話はこれだけで十分だ。私は体毛でレティーを包み、二人で階段を駆け上った。普段ならレティーに無理をさせるわけには行かないが、彼女の成長を見守るのも、また私の務めだった。

「アルファントゥ! あんなの切っちゃおう!」
「わかった。レティー、しっかりつかまっていなさい」
 階段を上った先にいたものは、私の記憶に思い当たるものが無い程の物だったが、レティーと私の敵でなかったのも事実だった。
 私の体毛で切り裂かれた「それ」を後にし、レティーと私は階段を下りた。

 今日はレティーの「友達を思う心」の成長を素直に喜ぼうと思う。

サンプル行動文章8の解説と評価

 この行動文章は悪い例です。
 まず、リエラのアルファントゥの言葉で書かれているのは、絶対にいけません。リエラは自存型・非自存型を問わず『NPC』だからです。NPCの行動や意見は、行動文章に書いてはいけません。書いた場合、その行動文章は不採用になるでしょう。行動文章でリエラについて書けることは、会員キャラクターからの「命令」か「お願い」です。それをリエラが実行するかどうか、またできるかどうかは、ライターが判断します。
 また、リエラと会員キャラクターとの会話は、よほど状況に一致していなければ採用されません。書くとしても参考程度にとどめましょう。間違っても会話を中心にしてはいけません。
 内容の如何を問わず、こういった行動文章は採用されないでしょう。

サンプル行動文章9

使用キャラ:ランカーク

ふむ、季節外れにこの寒さ……最近アルメイスを騒がせている下賎の者の仕業か?
これだから下々の者は……
私の非の打ち所のない指揮の元。そこらにいる学生に原因を調べに行かせることにする。
貴族連盟の会長である私にとっては当然だな。(詳細設定参照)

ああ勿論、レディ・フラウニーは、私が先ほど暖炉のある温かい部屋までお送りした。
倒れた者も、レディの頼みゆえ、ついでに従者に命じて、保健室まで運んでおいた。
これには皆尊敬の念を抱いたようだ。当然だな。

図書館が使えないというのは、学園にとっても一大事だからな。
全員にいえる事だが、原因が分かったならば、私に知らせる手筈とする。
唯の一般生徒に任せるわけにはゆかんよ。

最終的な判断は、私かマイヤ会長でが行う。
いざとなったら、速やかに原因を除かねばならんな。
なに、当然、学園の許可はもらってあるので心配無用だ。

こうして学園を脅かす図書館の怪異は解決された事になる。
私は今以上の信頼と名誉を手に入れる訳だ。

サンプル行動文章9の解説と評価

 この行動文章は悪い例です。
 まず、周りの会員キャラクターやNPCの行動を勝手に決めてはいけません。たとえば「レディの頼みゆえ」と言っているのは、「フランに頼まれた」ということなのですが、OPではフランはそういったことを誰にも頼んでいません。フランは彼に頼まないかもしれないのです。フランが頼まないなら、この行動は成り立ちません。NPCに命じられたり頼まれたりするのは簡単な関わり方に思えますが、それをライターが認めなかった場合、すべての行動の前提が失われて、すべてが不採用となる可能性があります。
 また、結果を勝手に決めてはいけません。「温かい部屋までお送りした」「保健室まで運んでおいた」は「暖かい部屋へ送る」「保健室まで運ぶ」という行動として書かれるべきであり、それができるかどうかはライターが決定します。
 この行動文章は、すべて結果を決め付けている書き方が良くありません。内容如何を問わず、こういった行動文章は採用されないでしょう。

サンプル行動文章10

使用キャラ:ルー

今日はクレアが本を探すと言うので、仕方無く図書館に行きました。
いつもと違う場所に行く、というのは、とても不安なことです。
はやく帰れればいいのに。
私は、そんなことを思っていました。

でも、図書館の中はなんだかとっても寒くて本を探すどころではありませんでした。
クレアも、今日は諦めて帰ることにしたようです。
もしかすると、神様が私の願いを叶えてくれたのかもしれません。
神様、ありがとう。

何か解決しようとしていた人もいるようですが、私たちには関係ありませんよね。
私はクレアと一緒に寮に帰り、暖かい晩御飯を食べるのでした。

サンプル行動文章10の解説と評価

 この行動文章は悪い例です。
 まず、「仕方なく」という形で事件に関わるのは難しいと言えます。上級者であれば、それでも事件に関わる行動が書くことができるかもしれませんが、巻き込まれるという形は採用と不採用の存在するスペシャルイベントでは極めて難易度が高いでしょう。よほど自信のある方以外は、「仕方なく」という形は避けた方が無難です。上級者でも、不採用の可能性は極めて高いでしょう。
 しかしそれ以前にこの行動文章は、事件に関わる意志がまったく見られません。
 また、他のキャラクターであるクレアの行動を勝手に決めているところも良くありません。
 内容如何を問わず、こういった行動文章は採用されないでしょう。

サンプル行動文章11

使用キャラ:カレン

 ひゅううと強い風が鳴っていた。雪が風にのって強く顔を叩いていたので、私は小走りに図書館の扉に近づいた。そして、その重い扉を開けた。
「あ、カレン、大変なの」
 中は暖かいと思っていたけれど、予想に反して、中も凍えるように寒かった。
振り返ったのはフランだった。
「どうしたの?」
 何が起こったのかしら……と思って、近づくと、フランは深刻な顔で言った。
「マリーが……」
 指差した先には、マリーが倒れている。私が近づくと、マリーはううんと唸った。息はあるようだったけれど、体が凍るように冷たい。
「早く暖めなくちゃ駄目じゃない」
 そう言って、私はマリーを抱きかかえた。

サンプル行動文章11の解説と評価

 この行動文章は悪い例です。
 行動文章ではなく、小説の一部になってしまっています。行動文章に描写等は必要ありません。また、やはり他のキャラクターの行動や台詞を書いているところがいけません。
 内容如何を問わず、こういった行動文章は採用されないでしょう。