■はじめに
次から始まる話は、行動文章を書くときに必ず従わなくてはならないことではありません。やりなれた方法での方が、ライターに上手く伝わるということもあります。
でも、「どう書いたらいいかわからない」「もっと上手い方法はないだろうか」「ライターに上手く伝わらない」「がんばってるつもりなのに採用されない」そんな風に悩む人もいるでしょう。
これはそんな悩める人と、「文章で行動を伝えるゲーム」に本当に初めて参加する人のための説明になっています。
行動文章を書く前に
1.事件オープニング文章をよく読む
事件オープニング文章には、短くても色々な情報が隠されています。何度も読んでみると、新しい発見があるかもしれません。
たとえばNPCが矛盾した発言をしているとします。それは書き間違いではなく、そこにヒントやヒミツが隠されていることが多いのです。
事件オープニング文章をよく読んで、疑問に思うことを探してみましょう。
2.あなたのキャラクターが、その事件を聞いたらどう思うか考える
あなたのキャラクターらしい行動と、らしくない行動。どちらが文章になったとき、見た人が「良い」と思うでしょうか。それは、ほとんどの場合「キャラクターらしい行動」です。
採用の基準には「他の人が見て、面白い(可愛い・カッコイイ)と思えるか」という部分も入っています。かと言って、それだけで、事件にかかわらない行動では、採用されません。
こういったことと事件を踏まえて、あなたのキャラクターらしいオリジナルな行動は何かを考えましょう。
3.行動を決める
事件オープニング文章から事件解決の手がかりを読み取り、キャラクターらしい行動が思いついたら、中心となる「行動」を決めましょう。
色々やりたいことがあったりするかもしれませんが、行動文章に書くことのできるのは、その中の一つだけです。仮にたくさん書いても、何がやりたいのか伝わらなくなり、不採用になりやすくなります。
行動文章には500文字という制限があり、この字数で行動を十分伝えるには、1つが適当なのです。一つに集中して書くことは、それが失敗したら後がないような印象がありますが、二つ書いた場合は一つに集中した人に敵わないのです。
これを踏まえて、「自分は何が一番したいのか」を探して、絞り込みましょう。
それは、よく考えれば、2つか3つの単語で表現できると思います。「敵と戦いたい」「誰かを守りたい」「謎を解きたい」「仲間を助けたい」「誰かと話したい」などなど。できるだけ簡単に表現してみましょう。
その「一番やりたいこと」が見つかったら、忘れないように「○○を○○したい」とメモしておきましょう。
■行動文章を書く(基本編)
さて、やりたい事が決まったならば、実際に文章に書いてみましょう。
この時、重要となるのが
(1)『動機』
(2)『目的』
(3)『手段』
をちゃんと文章の中に書くことです。
例えば、次のような状況があったとしましょう。
【一人の男が商店を襲い、一般人の少女を人質にして建物の中に立てこもってしまった】
(1)『動機』
この場合、「少女を放っておくわけにはいかない」、「事件を解決したい」、などの気持ちが『動機』の部分に当たります。
『動機』は簡単なことで構いません。しかし、この部分が余りにも現状にそぐわなかったり、不適切だった場合、不採用になる可能性は高まるでしょう。
悪い例):「面白そうだから、犯人と一緒に暴れて騒ぎを大きくしたい」「事件なんか関係なく、彼女とイチャイチャしたい」
(2)『目的』
次に必要なのが『目的』です。これは先ほどの動機を元に、何をしたいか、何を得たいのかを書くことです。最終的に自分がやりたい事を、はっきりさせておくものだと思ってください。
例):「少女を放っておけない⇒だから少女を助ける」「事件を解決したい⇒犯人を説得する」
(3)『手段』
最後に、最も注意しなければいけないのが、『手段』を文章の中に盛り込む事です。
例えば上のように、「少女を放っておけない、だから助ける」とだけ書いてあったとしても、「どうやって」少女を助けるかが書いていなければ、ライターにはキャラクターを動かすことはできません。
実際にキャラクターが「どのように行動」し、「どうやって」目的を果たそうとするか、これがポイントになります。
例):「表が騒ぎになっているうちに、建物の裏口の方からこっそり侵入し、犯人が隙をみせたら飛び掛って取り押さえる」
勿論、同じような行動を書いている人もいるでしょう。その場合、より有効と思われる『手段』を書いた人の方が採用率は高くなります。頑張って、最適と思う『手段』を探してみてください。
■行動文章を書く(応用編)
さて、ここからは実際に「採用されやすい行動文章」の書き方と注意点について考えてみます。
キャラクターの特徴を反映させる
自分のキャラクターの性格や特徴などの設定に合った行動を書けば、ライターもキャラクターらしさを表現し易くなります。前例では「事件解決を優先する」か、「少女の無事を優先する」かの違いが、キャラクターの性格の違いと言えるでしょう。
勿論、いくらキャラクターの設定に合っていても、独りよがりな行動や、不適切な行動ではいけません。
行動の要点を簡潔にまとめる
文章が長くなってしまうと、結局の所、キャラクターが「何をしたいのか」が、ライターに伝わりにくくなることがあります。慣れないうちは
・基本的な行動と最終的な目標を、1〜2行でまとめて文章の最初に『』で囲んで書いておく。
・行動を箇条書きにして、番号をふってまとめておく。
などの方法をとるのも有効でしょう。
(自分の)キャラクターの台詞を書く
キャラクターの特徴を出す手段として、その場面でキャラクターに言わせたい台詞を一言二言、書いておく方法があります。上手くいけば、貴方のキャラクターが文章中で格好いい台詞を言うかもしれませんし、ライターがキャラクターの特徴を理解するのにも役立ちます。
また、キャラクターの心理描写も有効でしょう。慣れてきたら、キャラクターになりきったつもりで、キャラクターの口調で行動を書いてみるのもいいかもしれません。
ただし、これはあくまで『自分のキャラクター』に関しての事です。
貴方のキャラクター以外のキャラクター達は、勿論、それぞれ自分の意思があって行動しているのですから、貴方の書いた通りに行動するわけではないということを、よく覚えておきましょう。
世界観に合わない行動をしない
キャラクター達の生きている世界は、我々の世界とは違います。我々の世界では常識だとしても、キャラクターが知っているとは限りません。
例えば、アルメイスでは蒸気機関は発達していますが、電気や電化製品などの研究はほとんど行われていません。その辺りを注意して行動を見直してみましょう。
キャラクターとプレイヤー(貴方自身)の違いを認識する
上の例のように、キャラクターと貴方では持っている知識も能力も違います。
例えば、貴方がゲーム設定を見たり、別のプレイヤーから聞いたりして知っている事実であっても、キャラクターが知っているとは限りません。
自分とキャラクターの立場をはっきりさせた上で、行動を書く参考にしましょう。
上の例であれば、行動文章の中に、別のキャラクターから教えてもらったことを書けば、その事実を知っていても問題ないでしょう。(できれば相手の方の行動文章にも、情報を教えた、と書かれているに越した事はありません)
周囲(他人)の行動を意識する
採用と不採用が存在する以上、他のキャラクターとは一種の競争になります。
他の人が行動文章に書きそうなことを予測すれば、自分の行動を考える際の手助けにもなるでしょう。ただし、他人を出し抜く事だけを考えていると、結局自分が足元をすくわれかねません。
いかに自分と他人のキャラクターを生かすことができるか、そのような行動を考えることが、良い行動文章に繋がるでしょう。
最後に文章内容を確認する(誤字・脱字に注意)
行動文章を一通り書き終えたら、送信をする前に一度文章の内容を見直しましょう。
誤字・脱字は当然として、文章として曖昧な部分があると、ライターにこちらの意図が誤解されて伝わるかもしれません。
書いている内容に矛盾が無いか、文章がおかしくなっていないか、最後に確認してから送信するように心がけましょう。
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